キャッシュレス決済の種類と法規制の概要

キャッシュレス決済の種類と法規制の概要

ネット通販で用いられるキャッシュレス決済の種類

 キャッシュレス決済とは、現金を用いない決済のことで、「決済」というのは、「送金」と「支払」のことを意味します。
 キャッシュレス決済は、実店舗での支払にも多く用いられていますが、ネット通販では、そもそも現金で直接支払うことがありませんので、もっぱらキャッシュレス決済が用いられています。
 この点、総務省がまとめている「令和3年版情報通信白書」によると、以下のとおり、ネット通販で用いられている決済手段としては、「クレジットカード払い」が最も多く、次いで、「コンビニエンスストアでの支払い」、「代金引換」、「銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替」、キャリア決済、電子マネーの順番となっています。

 

〔総務省「令和3年版情報通信白書」から引用〕

 

キャッシュレス決済の分類と法律の規制の枠組み

消費者が支払うタイミングによるキャッシュレス決済の分類

 消費者の目線で、商品やサービスを手に入れるための対価を実質的にいつ支払ったのかという観点から、キャッシュレス決済は、大きく以下の3つに分類することができます。

  1. 前払い(プリペイド)=後で利用する
  2. 即時払い =同時に利用する
  3. 後払い(ポストペイ)=先に利用する

 

キャッシュレス決済にはどのような法律の規制が関わるのか

 ネット通販に関わるキャッシュレス決済を規制する法律としては、大きく以下の4つがあります。

  1. 資金決済法の「前払式支払手段」に関する規制と「資金移動業」に関する規制
  2. 銀行法
  3. 割賦販売法の「包括信用購入あっせん」に関する規制と「加盟店契約締結業者」に関する規制
  4. 犯罪収益移転防止法のマネーロンダリング規制

 そして、支払のタイミングと規制法のおおまかな対応関係は以下の通りになります。

法規制に関するポイント

  ①前払い(プリペイド)は資金決済法、後払い(ポストペイ)は割賦販売法が関わってきます
  ②後払いの支払手段の中には、特別な規制法がないものも多くあります