ネット通販での購入の流れと契約の成立

ネット通販での購入の流れと契約の成立

①ネット通販業者によるネット広告

 ネット通販では、通常、販売用のサイトを作成して商品の広告が行なわれています。
 もっとも、特定商取引法によって規制される「通信販売」は、ネットなどの通信手段によって商品の購入申込みを行なう場合を対象としており、「広告」をしていること自体は「通信販売」の要件とはされていません。

②注文者が、商品を選んで買い物かごに入れる
③画面の遷移後、最終確認画面が表示される
④注文者が、ボタンをクリックするなどして注文を確定させる
⑤ネット通販業者から、注文者に受注確認メールが送られる

 受注確認メールは、一般的に、注文があったことを確認するために機械的に送られるメールであり、注文に対する「承諾」とは異なるとされています。
 例えば、東京地裁平成17年9月2日判決では、「受注確認メールは、買い手となる注文者の申込が正確なものとして発信されたかをサイト開設者が注文者に確認するものであり、注文者の申込の意思表示の正確性を担保するものにほかならないというべきである」として、受注確認メールを送ったことは、通販業者による承諾とは認められず、この段階で契約が成立したとはいえないと判示しています。

⑥ネット通販業者による注文の承諾 = 契約の成立