弁護士によるネット通販業者のための法務ルーム
景品表示法改正のスケジュール
景品表示法が、2023（令和5）年5月に改正になりました。
施行は、公布の日から１年半を超えない時期ということですので、2024（令和6）年の秋ごろに改正法がスタートすることになります。
景品表示法の改正ポイント
①事業者の自主的な取組の促進
〔確約手続の導入〕
優良誤認表示等の疑いのある表示等をした事業者が是正措置計画を申請して認定を受けたときは、当該行為について、措置命令及び課徴金納付命令の適用を受けないこととすることによって、迅速に問題を改善する制度を創設します
〔返金措置の弾力化〕
返金を行った場合に課徴金額が減額される返金措置に関して、金銭による返金に加えて第三者型前払式支払手段（いわゆる電子マネー等）も許容します
②違反行為に対する抑止力の強化
〔課徴金制度の見直し〕
課徴金の計算の基礎となるべき事実を把握することができない期間における売上額を推計することができる規定の整備や、違反行為から遡って10年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者に対し、課徴金の額を加算（1.5倍）する規定を新設します
〔罰則規定の拡充〕
故意による優良誤認表示・有利誤認表示については、直罰（100万円以下の罰金）の対象とします
③円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等
〔国際化の進展への対応〕
措置命令等における送達制度の整備・拡充、外国執行当局に対する情報提供制度を創設します
〔適格消費者団体による開示要請規定の導入〕
適格消費者団体が、事業者に対し、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の開示を要請することができるとともに、事業者は当該要請に応ずる努力義務を負う旨の規定を新設します
（2023年11月29日）