デジタルプラットフォームは、情報通信技術やデータを活用し、利用者を結びつける場を提供するサービス、要するに『オンラインでの「場」の提供サービス』ということになります。
デジタルプラットフォームが介在する取引の例としては以下のようなものがあります。
デジタルプラットフォームには、「スイッチングコスト」があると言われます。
これは、利用中のデジタルプラットフォームから、他のデジタルプラットフォームへの乗り換えに対する躊躇のことで、例えば、スイッチする手続が面倒とか、ポイントが貯まっているとか、すでに会員としてのグレードが高くなっているなどの事情があるために、他のデジタルプラットフォームには移りにくいという意味になります。
このスイッチングコストがあるために、あるデジタルプラットフォームの利用者は、そこに囲い込まれ、ずっとそのデジタルプラットフォームを利用し続ける傾向があります。
デジタルプラットフォームには、「ネットワーク効果」が働きやすいという特徴があります。
「ネットワーク効果」というのは、あるデジタルプラットフォームの利用者の増加が、そのデジタルプラットフォームの価値や利便性をよりいっそう増加させ、そのことによって、そのデジタルプラットフォームの利用者の数がさらに増加していくという特性のことです。
このような特性があるために、デジタルプラットフォームは、一定の規模まで達することができれば、加速度的に巨大化していく傾向があります。
デジタルプラットフォームには、スイッチングコストによる囲い込みや、ネットワーク効果による巨大化という特徴があるため、先行者であるプラットフォームが圧倒的に優位な立場に立ち、新規参入者はなかなか太刀打ちできないことになります。
その結果、巨大化したデジタルプラットフォームは、他との競争にさらされることもなく大きな力を持ち、公平性を欠いたデジタルプラットフォームに一方的に有利なルール設定や運用などが行われやすくなります。
デジタルプラットフォームを利用して行なわれる取引の基本的な構図は、以下のような三面関係になります。
デジタルプラットフォームに対する法規制は、この三面関係のうち、販売者(出店者)を守るという側面と、購入者(消費者)を保護するという側面の2つがあります。
デジタルプラットフォームは、その非競争性ゆえに寡占化が進みやすく、競争法の視点からの規制が必要になります。
①独占禁止法
例えば、令和3年12月6日付けの公正取引委員会の発表では、楽天が、「共通の送料込みライン」に参加していない店舗を不利にする取扱いを示唆するなどして参加を余儀なくさせたことを、優越的地位の濫用にあたる疑いがあるとされ、楽天による改善措置が実施されました
②DPF取引透明化法(正式名称は「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」)
①個人情報保護法
②電気通信事業法
①取引DPF法(DPF消費者保護法)(正式名称は「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」)
②その他の消費者保護に関する法律